こんにちは!Ryoです。
今回はアメリカのトレーナー制度について、僕が学んだところから解説をさせていただきます。
僕は日本のATの資格は持っていませんが、認定大学院で必要単位はすべて取得しており、
また、日本の大学スポーツで5年ほど学生トレーナーとして活動していた経験から、
“ある程度は”日本のAT制度について知っているという体でお話させてください。
皆さんは、「アメリカのトレーナー」と聞いてどのような印象を持たれるでしょうか?
ちなみに僕は、実際に留学を考えるまで、1ミリも興味がありませんでした。
些細なきっかけでアメリカトレーナー留学を思いついてから初めて調べ始め、
なんとなくですが、アメリカというスポーツ大国におけるトレーナー像について少しずつ学んだというのが正直なところです。
いよいよアメリカでのAT留学が始まり、幸いにもアスレティックトレーナー(以下、AT)という職業について学ぶ授業が組み込まれているので、記憶に新しいうちに書き残します。
それではざっくり解説、いってみましょう。
日本のトレーナー制度
「スポーツトレーナー」
まず、この1ワードだけをGoogleで検索してみてください。
いかにこの一言が表す職業の幅が広いか、あるいは、どれだけ曖昧であるかがわかるかと思います。
日本でトレーナー教育を少しでも受けたことのある方ならもう何度も聞いた話かもしれませんが、
一口に「トレーナー」と言っても、
ストレングストレーニングを中心としてアスリートのパフォーマンスを最大化するストレングスコーチ(S&C)や、
主に治療やリハビリのスペシャリストである理学療法士(PT)、
鍼灸あん摩マッサージ指圧師、
柔道整復師など、、、
特に日本のスポーツ界においては、トレーナーという肩書で働いていても、実際に持っている資格は人それぞれであることがよくあります。
(上記、それぞれの職種の紹介の仕方についてはざっくりです。細かい部分のご指摘はご容赦ください!!!)
様々な肩書、資格を持った方々が自身の強みを活かし、ときにオーバーラップしながらアスリートのサポートをしていくというシステムについては、非常に興味深いものがあります。
アスリートとしても、多くの選択肢の中から自身に合ったサポート内容を選択できるというのはメリットが大きいことではないでしょうか。
さて、その中でも一際、曖昧な定義で括られることが多いのが、アスレティックトレーナーという職業です。
日本のATという肩書は、日本スポーツ協会(JSPO)が発行する民間資格で、
認定された教育機関を修了し、JSPOによる筆記・実技試験をクリアすることで得ることができます。
ATの業務内容は、日本スポーツ協会によると以下のとおりです。
JSPO公認スポーツドクター及び公認コーチとの緊密な協力のもとに、競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション、体力トレーニング及びコンディショニング等にあたる。
https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid218.html
ご覧の通り、多岐に渡ります。
言ってしまえば、アスリートのパフォーマンスに対するサポート全般を広くこなす人。
故に、非常に広い知識・技術が求められる職業です。
イメージがしやすい部分ですと、
サッカーやバスケ、アメフトなどの試合中にケガ人が出た際に、一番最初にピッチに出てきて治療に当たるのは多くの場合、ATです。

多岐にわたる専門的知識を要し、プロスポーツから教育、一般スポーツの場面まで広くカバーするのが、ATの仕事です。
以上が、日本のスポーツトレーナー、ATの話。
(細かいご指摘はご容sy)
アメリカのトレーナー制度
さてここからは、アメリカのAT制度についてご紹介していきます。
アメリカにおけるアスレティックトレーナーという職業は、1800年代後半から始まりました。
詳細は端折りますが、オリンピックなどといった国際競技大会の開催が契機となったようです。
その後、1950年にNational Athletic Trainers’ Association(通称:NATA)という組織が作られ、アメリカ国内のアスレティックトレーナーを管理するようになりました。

日本のJSPOのような団体です。
日本では、JSPO-ATと区別するために、アメリカのATはNATA-ATCと呼ばれることがありますね。
基本的な業務内容は、日本のATとほぼ同じと考えてもらって良いと思います。
一応、NATAホームページからATという職業について記載している部分を抜粋しておきます。
Athletic trainers (ATs) are highly qualified, multi-skilled health care professionals who render service or treatment, under the direction of or in collaboration with a physician, in accordance with their education, training and the state’s statutes, rules and regulations.
https://www.nata.org/about/athletic-training
簡単な訳:ATは、医師の指導もしくは協力のもと、その教育と訓練、州の条例、そして規則に基づいて、サービスや治療を提供する、十分な資格と複数のスキルを持ったヘルスケアの専門家。
こんな感じです。
ATのなんたるかは上記のウェブサイトに細かく記載されているので、Google翻訳などをフル活用して一読されてみてはいかがでしょうか。
さて、アメリカでも毎日のように放送されているプロスポーツの試合において、最初にケガの対応に当たるのは基本的にATです。
当然、アメリカでも、S&CやPTはいます。
特にS&Cコーチの資格として代表的なNSCA-CSCS, CPTなどを発行するNSCAは、アメリカの組織ですね。
また、日本のAT教育もアメリカを模倣して作られたと日本の大学院で聞きました。
真偽はわかりません。ごめんなさい。
さて、そんなアメリカのAT制度ですが、日本のと異なる点は、主に以下の2つ。
- ・公的に医療職として認められていること。
- ・(2022年以降、)すべてのアスレティックトレーナープログラムは大学院レベルであること。
これだけです。
これだけですが、個人的に、この2点は日本のAT教育との間に非常に大きな違いを生んでいると考えています。
例えば、日本では民間資格であるATと異なり、アメリカでは医療職です。
公的に認められた職業として、ATという資格のもとに活動することができます(もちろん細かい制約はあります)。
また、アメリカでさかんな大学スポーツではもちろんのこと、
州によっては高校の部活でもATを雇用することが義務付けられていることもあります。
さらに、ATの就職先として軍や一般企業、ダンサーなどのパフォーマンスチーム、有名どころではNASAなど、
様々な領域でATの専門性が求められています。
これらのことから僕なりの言葉でまとめさせていただくと、
アメリカではATという職業・制度自体が社会の中に組み込まれており、
一定の需要があり、その需要を満たすことができる知識・技術が大学院レベルの教育で担保されている。
このように言えるのではないでしょうか。
(日本とアメリカのATの違いについては次の記事で書いてみます。ディープな話になりそうです。。。)
さて!!!
偉そうに書いてきましたが実際のところ、僕もまだアメリカでAT教育を受け始めたばかりのヘッポコAT学生です。
↑僕のクラスメイトたち。USF AT Program Class ’23!!
現時点で確かな一般的情報として文章にしておくことができるのはこのくらいでしょうか。
今回は日本とアメリカのAT制度と、その違いについて簡単に説明させていただきました。
最後にはなりますが、今回の記事における日本およびアメリカのAT制度の説明について、
互いの優劣を論じるものではないことをここにおことわりしておきます。
とっても長くなってしまいました!そして真面目!!!
今回も読んだいただきありがとうございました。
質問などありましたらお気軽にコメントもお願いします!
See ya!
Ryo
コメント
[…] アメリカのAT制度や日本のATとの比較については前回の記事をご覧ください。 […]